現地繁殖池紹介 フラットヘッド×スプーンヘッド” 深紅のスプーンヘッド 個体”作出への挑戦!

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インドネシアのファームにて撮影した映像です。

複数のレッドアロワナの種親がストックされていますが、全ての個体が同血統の個体ではありません。
俗に言う、フラットヘッドの個体と、スプーンヘッドの個体が、意図的に混合で入れてあります。
この状態で、それぞれの見分けがつきますか?慣れてくるとわかるようになりますよ。

そのようにしてある目的は、真っ赤に発色するスプーンヘッド体型の個体を作出することにあります。
しかし、この方法を用いれば、必ずそのような個体が採れるという訳でもなく、現在は、現地ブリーダーのチャレンジ、試行錯誤といった感じだと思います。

ご存知の方もあるかもしれませんが、水槽にあげてストックすると真っ赤になる個体でも、
繁殖池に入れてストックすると、赤発色はずいぶん薄くなってしまいます。それが普通です。
ですから、池でどの位の濃さを見せる個体が、水槽に上げてどのくらいの赤さを見せるかの基準を身を持って知っておくことがプロとしては重要です。

専門誌等では、繁殖池に泳ぐ真っ赤な個体が紹介されていることがありますが、
多くの場合は、その撮影のために、真っ赤に発色した個体を放流した直後、または間もない状態で撮影したか、
印刷の際に画像加工してあるケースが多いと思います。繁殖池でも真っ赤に見える個体もいないことはありませんが。(それはそれはすごいことなんですよ!)

具体的な名前はふせますが、このファームは真っ赤な個体を多数保有することで有名なファームです。
この池には、そんな深紅のフラットヘッドの種親と、なかなかに立派なスプーンヘッド体型の種親が入っている訳です。

あとは、採れた個体をストックルームで育成しながら、個体の特徴をよく見て、選別を行っていく訳です。

ただし、このようなゴチャゴチャの状態ですと、どのオス個体とメス個体が交配したかわからないので、
それを確実に確認するための方法として、”良い特徴を持つ、厳選された複数のメスの中に、優秀なオスを、1匹から数匹のみ投入する”
といった方法を用いているブリーダーもいます。そうすれば、必ずそのオスとかかるということになる訳ですね。

” 深紅のスプーンヘッド ”はまだまだ目にすることが少ないですが、それを求めて、このように現地でも努力が続けられているのです。


今回、ご紹介した例は、あくまで、レッドアロワナ×レッドアロワナですが、その他にも今までの歴史の中で、

紅龍×過背金龍、 紅龍×紅尾金龍、 過背金龍×紅尾金龍、 紅龍×グリーン

近年では、 過背金龍×グリーン,バンジャール

などなど、いろいろな試みがされてきました。そして採れたクロス個体を、さらにクロスして3/4クロス血統を作ったり、
実は、現在、市場に出回っている個体は、非常に複雑になっているのが現状だと思います。

それがお客さまにとって、良い方向に出ているもの、逆に悪い方向に出ているもの、ほんとにいろいろあります。。。

また機会を見て、順を追ってそのあたりにも触れていきたいと思います。


最後に、紅龍だけでも、一説には20種以上の地域変異があると言われているので、その全てを把握するのは至難の業かもしれませんね。
紅龍の生息地である、カリマンタン島、カプアス河〜センタルン湖水系の支流の流域は、ゆうに600km以上もあると言われるので
当然と言えば当然かもしれません。全てが日本の感覚を越えていて、気の遠くなる話です。

私自身もまだまだ勉強していきたいと思います。

では、今回はこれまでと致します。

                                                                アジアアロワナ 専門店 雅 -MIYABI-  ザ・レッドアロワナ Ver.1.5